鉄塔問題は置いといて水曜日のダウンタウン愛を語ろうと思う。

水曜日のダウンタウン

情報バラエティがメインストリームである昨今、その風潮に抗うがごとくエッジの効いた内容を放送している最高のバラエティ番組です。

 

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        (公式HPより)

 

宇多田ヒカル/First Loveの『誰を思っているんだろう』の部分 カラオケで全員『誰を思っているんだはー』と歌う説」

「『お疲れ様でした』、『お』と『した』さえ合っていれば間は何でもいける説」

「早弁先生」

 

説(早弁先生は最早違うけど)の字面だけ見ても最高。面白さの極み乙女。水曜日10時は俺にとってモラトリアムです。

そんな水曜日のダウンタウンですが、ずっと見ているとそのこだわりに感心してしまうことが多々あります。

「新築で和式便所入れるヤツ、マジで0人説」ではスタッフが電話取材をしているシーンでは抹茶ソフトや黒ごまソフト、白玉あずきソフトなどの和のソフトクリームのポスターを取材中のデスクに貼ったり、「五木ひろし握力強い説」では握力計の数値が表示される瞬間にSuchmosの「Armstrong」を流したりするなどさりげなく説に関連するような事が目で耳で楽しめるようになっています。

いきなり細部の紹介から入りましたけども、その編集そして演出も素晴らしい。

説明のために本番組のプロデューサーである藤井健太郎さんがご自身の著書、

「悪意とこだわりの演出術」にて好例として挙げている「ストッキング被って水に落ちるやつ、誰がやっても面白い説」のナレーションを引用しましょう。

この説の中では俳優の中村昌也が「息が苦しくなってストッキングを破る」という基本の展開を大げさにやり過ぎてしまった際には以下のようなナレーションがつけられました。

 

「慣れないバラエティのロケで不安だったのか、完全にやりにいってしまった。自慢の長い足をわざと大きく開き、スタッフの反応が悪いと感じたのか、プールに顔を理由なき二度づけ。息苦しさを大袈裟にアピールするとんだ"串カツ野郎"にスタッフはすっかり醒めきってしまう結果となった」(『悪意とこだわりの演出術』 p25~p26より)

 

無理に笑わせる方向に持って行こうとせず、「どうやったらこの映像素材が最大限に面白くなるか?」ということにこだわり抜いた結果生まれた名ナレーションだとおもいます。あ、もちろんナレーションをつけたのは藤井さんです。

まっここまでつらつらと水曜日のダウンタウンのこだわりを書いてきましたけども、つまりですね

 

「悪意はこだわりの結果である」

 

ってことが言いたいわけです。世間的に「水曜日のダウンタウンはやりすぎ」「悪意しかない」っていう意見、よくあるじゃないですか。それ、安易じゃないか?ってことです。まあね、結局バラエティに求めるものって人によって様々で、可愛い動物とかグルメとか人畜無害で誰も傷つけないような楽に見られるものを求めている方がたまたま見ての批判なんだろうなあとは思いますけども。それは否定しません。だけども良く批判される「悪意」の部分がこれまで述べてきたようなこだわりの一部なんだってことはわかって欲しいな〜っていうのが正直なところです。しかもこれまで書いたこだわりはほんっと〜にごく一部ですしね。

自分、だいぶテレビっ子なんで毎日テレビ見ますけどもここまで細部にこだわり抜いてる番組って本当にないですよ。藤井さんがだいぶカルチャーに精通されている方なんで、そのこだわりに気づくのって結構難しいんですけども、twitterで「このBGM、あれじゃね?」みたいな感じでつぶやいている方もいらっしゃるんでそういう風にして楽しむのもアリですね。是非とも一度ご覧あれ。きっと楽しめます。

 

 

・・・芸人キャノンボール復活しねえかなぁ。

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